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 そういう椎度の顔はしぶい表情だった。
有栖川はその表情を見て、ふふっと笑ってしまった。
「よっぽど華子ちゃんが怖いのね…。」
「んなわけないっての…あの長ったらしい話を聞き続けるのは耐え
られんだけ…ね。」
 有栖川の言葉がどこかひっかかったのか、少々ためらった返事だ。
「まあそういうことにしておいてあげるわ…。」
 有栖川は人をからかうとき目線が冷たい。
口元は笑っているが、目線がどこかいじわるになる。
「さ…いそぎましょ…。
6時に間に合わなくなっちゃうわ…。」
「そ…そうだな。」
 動揺しているのか、椎度は声が上ずった。

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