Back / 目次 / Next

「寒いな…」
 椎度は放課後に寄った図書館の帰り道だ。忘れてしまったのか、
手袋をしていない手が寒そうに震えていて、その手を袖を引っ張り
寒さからなんとかしのごうとしていた。
 一刻も早く家で暖まりたい椎度だが、前方から来たワゴンからの
声に立ち止まる。
「すいませーん!ちょっとお聞きしたいことがあるんですけど…。」
 減速しながら近づいてくるワゴンの後部座席は窓が開いていて、
一人の少女が顔を覗かせている。その少女の顔は…昨日の車椅子の
少女だ。
「?!あなたは…昨日の!」
 驚いて目がかっと見開いている椎度の顔に少女は声を出して笑っ
た。笑いが収まりだすと、少女は車から乗り出さないばかりに椎度に

(28)

Back/目次/Next




Present by Milk Cafe*