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街へ向かう緩やかなくだり坂を、椎度は自分のペースで歩いてい
く。3日間、小降りで降り続いた雪の上には、タイヤの跡や、靴の
跡が点々としている。ふと、ジャンパーのポケットに入れた手に振
動が伝わった。マナーモードにした携帯のバイブレーションだ。椎
度はその手に携帯を取り、電話に出た。外の冷たい空気が手に染み
る。
「もしもし…。」
「あ…椎度君…?有栖川だけど…今時間空いてるかしら…?」
電話は有栖川からだった。
「丁度今昼飯買いに行くところ。空いてないこともない。」
「そう…なら一緒にお昼どうかしら…?話したいことがあるの…。」
「構わないけど…話したいこと…?」
「会ってから話すわ…駅前で待ってるわ…。」
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