Back / 目次 / Next

「ん、結構うまいな…。」
 ホットケーキを一気に頬張り、コーヒーを一気飲みする椎度の姿
は、とてもこの喫茶には不似合いな光景だった。
 ランチを食べ終わった椎度は、そのまま店を後にした。
「…身近にあなたのことを思ってる人がいるのに…。」
 去る椎度の背中を見て、有栖川は一言そう呟いた。

つい最近までクリスマスムード一色だった商店街は、よく見ると年
末の大売出しなど違う意味で盛り上がっていた。
 有栖川とのランチを終えた椎度は未だに機嫌が悪いようだ。椎度
はその気を紛らわせるために、駅前の本屋に立ち寄ることにした。
 本屋内は暖房が暑いくらいに効いている。その暖房の風でゆらゆ
らと揺らめく「新作コーナー」と書かれた垂れ幕の掛かる下で椎度

(53)

Back/目次/Next




Present by Milk Cafe*